世界の赤ちゃんは一体どんな離乳食をどのように食べているのでしょうか。
フランスやアメリカ...大人の食事は想像できるけど、子どもの食事は?
そこで、今回は世界5か国の離乳食の特徴を比較してみました。
赤ちゃんが食べている物に着目することで世界の食文化や社会背景が見えてきてとっても楽しいですよ!
世界の離乳食
日本の離乳食は一般的に6ヶ月頃にお粥から始まり、18ヶ月前後のぱくぱく期まで細かく段階を踏んで与えていきます。
日本では離乳食は手作りが未だ主流ですが、海外では市販離乳食が主流で手作りはほとんどしない国もあったりします。
その国々によって離乳食の開始時期、与え方、与えるものが大きく異なっていますので一つずつ見ていきましょう!
日本
日本の離乳食の特徴はなんといっても魚です。
魚は他の国でも離乳食の食材として使われることがありますが、日本では初めて与えるタンパク質として比較的早い段階で鯛などの白身魚を食べさせる家庭が多いです。
その理由は近年まで日本は豊かな水産資源国であり、魚が人々の生活にとても身近なものであったことが背景にあるでしょう。
しかし、最近は近海での漁獲量が減少しており海外から仕入れた魚も増えてきており、野菜なども値上がりの影響を受けて外国産の材料が増えてきています。
そんな中、国産材料にこだわった離乳食を通販で提供する日本のベンチャー企業も複数社出てきており、離乳食の選択肢も今まで以上に広がっていくことでしょう。
・離乳食開始時期は6ヶ月頃から
・手作りが多い
・早い段階で白身魚を与える
・通販で入手できるこだわりの離乳食がある
アメリカ
続いてはアメリカです!
近年アメリカでは小麦粉やピーナッツ等の食物アレルギー患者が急増しており、社会問題となっています。
その影響から近年国民の食への意識が高まり、離乳食の在り方も変わってきているようです。
例えば、日本では離乳食開始は6か月頃が良いとされていますが、アメリカでは4か月頃から与えても良いと言う意見が出てきています。
これは早い段階から少量の離乳食を与えることで、食物アレルギーのリスクが低減するという研究結果がアメリカの米国アレルギー・ぜんそく・免疫学会で発表(英語原文)されたことが影響していると言えるでしょう。
ただ、いくつかの点で十分に検証され切れていない項目もあるため開始時期は赤ちゃんの様子を見たり専門家へ相談したりすることをサイト内でも推奨しています。
また、アメリカでは離乳食の手作り文化はありません。なぜなら、共働きの家庭がほとんどでナチュラルで品質の良い市販離乳食が揃っているからです。
そのためスーパーへ行くと下記のように棚一列にずらーっと離乳食が並んでいる光景を見ることができます。
近年ではサンフランシスコを中心に離乳食専門のベンチャー企業などが次々と出てきており、栄養バランスを重視した離乳食やおしゃれな見た目の離乳食を提供していることから離乳食ブームに火がついていることが分かります。
・離乳食開始時期は4〜6ヶ月
・市販製品がメイン
・アレルギーに対する意識が高い
・見た目や素材にこだわったベンチャー企業が出てきている
中国
次は中国の離乳食です!
実は中国では親が手作りする文化があまり根強くありません。基本的に市販製品を与えるか、祖父母やお手伝いさんが離乳食を作ります。
中国では離乳食の開始時期は4〜6ヶ月が一般的とされており、おかゆをベースに下記のような肉でんぶや様々な食材をのせて食べるのが一般的です。
また、中国では日本でいう"かみかみ期"になっても基本的におかゆ等の形があまりないものを食べ続ける傾向がありますが、一歳を過ぎる頃には大人と同じ食事をあげている家庭が多く、日本ほど段階を踏まないのが特徴です。
・離乳食開始時期は4〜6ヶ月
・おかゆが基本
・作るのは祖父母やお手伝いさん
・カルシウムや鉄などが添加された乾麺などもある
フランス
次は美食の国フランスです。興味深いのはフランスでは離乳食のことを”La Diversification allimentaire”(食の多様化)と呼んでおり、ミルクから離れる”離乳”という言葉より、前向きでポジティブに捉えているように思えます。
アジアの国々とは異なり、フランスでは4〜6ヶ月頃になると初めての離乳食としてにんじんのピュレを与えることが多いようです。
ズッキーニやインゲンなど胃に負担の少ない様々な野菜を全てペースト状にして与えていくのがフランス人のスタイルです。
ペーストにするための離乳食用のフードプロセッサーも存在しており、ベアバ(公式通販)というメーカーのものがよく使われています。
買ってきた野菜をプロセッサーにかけて家庭で簡単に離乳食を作ることができ、お父さんも簡単に離乳食が作れるということでとても人気があります。
また、なんとフランスでは前菜+メイン+デザートのセットを離乳食の段階で始めます。これは驚きです!
これは小さい時からいろいろな種類の食べ物を与えて食べることの楽しさを伝えるという意味があり、栄養を与えるだけではなく食べ物に興味を持つように食育もとても大事にしているんですね。
・離乳食開始時期は4〜6ヶ月から
・離乳食は「食の多様化」と捉えている
・ペースト状の物が多い
・離乳食用フードプロセッサーが人気
・前菜+メイン+デザートが基本
・自然に食育をする文化がある
韓国
最後のお隣の国、韓国です。
韓国では少し前までは手作りの文化が強く根付いていたのですが、最近は市販離乳食を選択する家庭も増えてきています。
しかし、日本のドラッグストアやスーパーで見かけるような離乳食は韓国では入手ができる場所が限られている上に種類もそれほど多くないため、ネット通販の宅配離乳食を利用している人が増えてきているようです。
韓国の離乳食は早いと4ヶ月から始まります。日本と同じで10倍粥から始まるのですが、もち米を使うのが特徴です。
離乳食初期は塩分を抜いた野菜スープやおかゆを与えていますが、離乳食中期は赤ちゃんに新しい食事の方法を伝える段階として見ているため塩分や栄養自体にそこまで執着していません。
また、鉄分の補給のために早い段階で牛肉を積極的に食べさせることも特徴的です。
筆者が驚いた点としてキムチを離乳食の段階で与えることは一般的だということです。ただ、水で洗って十分に塩分と辛味を抜いておくことが重要ですね。
・離乳食は早くて4ヶ月から開始
・通販で手に入る宅配離乳食が人気
・牛肉や玄米などを早い段階から与える
さいごに
今回は5つの国の離乳食の特徴をご紹介しましたが、離乳食の開始時期や種類が国によって大きく異なっていることが分かりました。
生活する環境が異なれば、その風土にあった離乳食を与えているわけで、一概に「コレが良い」といった決まりはありません。
そのため、離乳食を開始する際には専門家に相談したり赤ちゃんの様子に合わせて開始時期や与える食材を決めていくのが良いでしょう。
離乳食に慣れてきたら、たまには海外風の離乳食を取り入れてみてもいいかもしれませんね!